理事長挨拶
一般社団法人 日本免疫不全・自己炎症学会(JSIAD)は2017年に設立された学会で、今年で5年目を迎えることになります。この間に会員数もほぼ倍増し、学術的にも、臨床面においても、先鋭的な学会となったと感じています。ここまで学会を牽引してこられた平家前理事長を引き継ぎ、今期から理事長を拝命し、身が引き締まる思いです。
JSIADが対応する疾患は「先天性免疫異常症」であり、責任遺伝子と疾患の因果関係が明確であるという特徴があります。対応する疾患は、易感染性や自己炎症のみならず、自己免疫疾患、膠原病、アレルギー疾患、悪性腫瘍など多岐に及んでいます。その点で、他分野との連携が極めて重要であり、その連携がお互いにとってプラスになる領域と認識しています。
今般のCOVID-19 pandemicにおいても、「遺伝性免疫疾患」のアプローチが奏功し、重症者の一部においてtype Iインターフェロン経路に関与する分子異常やtype Iインターフェロンに対する抗体が検出されることが明らかになりました。
国際的な共同研究や、国際的な情報交換が盛んであることも、本学会の特性であり、多くの基礎研究や臨床研究は、学会員の国際共同研究の中から、その成果が発出されてきました。
この学会のもう1つの特徴として、長くPIDJ (Primary Immunodeficiency Database in Japan)という疾患レジストリーを運用してきたことがあります。それは、現在難病プラットフォームとしてグレードアップされ、今後診療に、研究に、また行政面でも重要なデータとなっていくと考えています。
このような特徴がある学会ですが、今後のJSIADの課題をいくつかあげておきたいと思います。
1つは突出した科学の追究です。学術団体として、学会員の協調のもとで、科学的な成果をあげることは重要なことと考えます。2つ目は他学会との更なる連携です。胚細胞変異を主体とした解析から、体細胞変異の解析、後成的変化の解析などへ展開し、様々な疾患の病態を明らかにすることに貢献したいと願っています。3つ目はレジストリー等を活用した、大規模データを活用した最適治療への展開です。さらには臨床研究や、治験も積極的に進める学会でありたいと願います。最後になりますが、最も大切なことは、患者の視点に立った全国規模の診療体制の構築をあげたいと思います。小児領域だけではなく、成人領域も含め、また移行医療も視野にいれた体制の構築が重要であり、全国どこにいても適切な診療が行えるように、さらに患者さんの要望に添った診療が行えるように知恵を絞りたいと思っています。
免疫の仕組みを疾患から学んでいきたい方、感染症のホスト要因について知識を深めたい方、免疫疾患に興味のある方、遺伝疾患に興味のある方、是非JSIADの会員となられることをご検討ください。皆で学びあい、より良い研究、診療が行えることを祈念しています。
日本免疫不全・自己炎症学会
理事長 森尾 友宏
役員一覧
代表理事(理事長) | 森尾友宏(東京医科歯科大学) |
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理事(副理事長) |
小野寺雅史(国立成育医療研究センター) 金兼弘和(東京医科歯科大学) |
理事(総務担当理事) | 和田泰三(金沢大学) |
理事 | 井田弘明(久留米大学) 今井耕輔(防衛大学校) 大賀正一(九州大学) 大西秀典(岐阜大学) 岡田賢(広島大学) 金澤伸雄(兵庫医科大学) 神戸直智(京都大学) 笹原洋二(東北大学) 高田英俊(筑波大学) 西小森隆太(久留米大学) 藤尾圭志(東京大学) 堀内孝彦(九州大学別府病院) 増本純也(愛媛大学) 右田清志(福島県立医科大学) 峯岸克行(徳島大学) 村松秀城(名古屋大学) 保田晋助(東京医科歯科大学) 八角高裕(京都大学) 竹崎俊一郎(北海道大学) 髙田紗奈美(国立国際医療研究センター研究所) 宮前多佳子(東京女子医科大学) |
監事 | 有賀正(社会医療法人母恋) 平家俊男(兵庫県立尼崎総合医療センター) 谷内江昭宏(金沢大学附属病院) |
委員会一覧
委員会名 | メンバー |
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